本研究では,子どもの思考の多様性の様相について記述型課題を用いた調査等により明らかにするとともに,子どもの思考の多様性を生かす教科学習を複数教科で組織し,それが各児童・生徒の概念的理解の深化に及ぼす効果とプロセスを心理学的方法により明らかにすることを目的とした。一連の研究の結果,児童・生徒の非定型問題に対する思考には,知識の関連づけ方の差異を反映した思考の多様性が同一学年内においてもみられること,児童・生徒の思考の多様性を生かした協同的探究学習による授業を通じて,各教科において各児童・生徒の概念的理解が深まることなどが示唆された。
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