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2016 年度 実績報告書

発話における流暢性の発達モデルの開発

研究課題

研究課題/領域番号 26380873
研究機関東京学芸大学

研究代表者

伊藤 友彦  東京学芸大学, 教育学部, 教授 (40159893)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード幼児 / 発話 / 流暢性 / 発達 / 吃音 / 発生 / 消失 / 統語
研究実績の概要

本研究の目的は、吃音の発生と消失を解明するための基礎的研究として非吃音児の発話における流暢性の発達モデルを提唱することであった。研究の過程で、1歳台からの縦断研究の対象児の一人に吃音が発生し、その吃音が約1年後に消失するという経過を観察する機会を偶然得た。今回の研究は吃音の発生と消失を解明するための基礎的研究として、まず非吃音児の流暢性の発達モデルを提案しようと行われたものであったが、偶然ではあるが、直接、吃音の発生と消失の過程を観察する機会を得たわけである。
この幼児1例の吃音の発生と消失過程の観察から、幼児期に発生する吃音も統語的側面が著しく発達する時期(1歳6カ月~3歳0カ月)に発生し、その後減少する過程を経ることが明らかになった。また、その発生、消失のメカニズムは、非吃音幼児の場合、Waijnen (1990)、伊藤 (1994) らが指摘しているように、文産出の発達過程における質的変化と密接に関係していることが示唆された。この一例について、2016年のカナダでの国際学会 (16th International clinical phonetics and linguinstics conference) で報告した。
本研究の目的の一つであった、非吃音児の流暢性の発達における統語的側面の発達と音韻的側面の発達との関係については、2歳0カ月から2歳3カ月までの非吃音幼児一例の縦断研究を行った。この研究の結果、統語的側面の発達が著しい2歳0カ月前後において、韻律面の発達は著しいが、分節的側面はそれと対応した発達を示さないことが示唆された。この結果は日本特殊教育学会第54回大会で発表した。
また、幼児期とは異なり、学齢期における吃音には音韻的側面が強く影響していることを示す論文を国際雑誌(Clinical Linguistics & Phonetics) に発表した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2016

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Segmental transition of the first syllables of words in Japanese children who stutter: Comparison between word and sentence production2016

    • 著者名/発表者名
      Sachiyo Matsumoto and Tomohiko Ito
    • 雑誌名

      Clinical Lingusitics & Phonetics

      巻: 30 ページ: 519-530

    • DOI

      10.3109/02699206.2016.1151937

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [学会発表] 2歳0か月前後における分節的側面と韻律的側面の発達ー幼児1例における縦断的検討ー2016

    • 著者名/発表者名
      松本幸代 伊藤友彦
    • 学会等名
      日本特殊教育学会第54回大会
    • 発表場所
      新潟コンベンションセンター(新潟県新潟市)
    • 年月日
      2016-09-18
  • [学会発表] The syntax spurt and the onset of stuttering in young children: Evidence from a Japanese child2016

    • 著者名/発表者名
      T. Ito, S. Matsumoto, S.E. Fukuda and S. Fukuda
    • 学会等名
      16th ICPLA Conference
    • 発表場所
      Halifax, Canada
    • 年月日
      2016-06-17
    • 国際学会

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公開日: 2018-01-16  

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