研究課題
平成26年度(1)「遊び込む」姿にみられる共通性と教師の働きかけ,(2)「遊び込んでいる」遊びへの関わりの違いが学びの基盤となる力の育成に影響を与えるかを検討した。結果:「遊び込んでいる」と保育者が感じる遊びには,没頭,試行錯誤,協同の共通特性が含まれることが明らかとなった。そして,その遊びに「メイン」として関わる頻度の高い幼児は,保育者にも「遊び込むタイプ」と認識されやすく,さらに,自己調整力,好奇心探究心,表現力等が高いことが示された。一方,「その他」として遊びに関わる頻度の高い幼児は,社会的自己統制力や好奇心探究心が低いことが示された。平成27年度(1)観察の継続の他,(2)「遊び込む」姿の共通理解のための保育カンファレンス,(3)小学1,2年生担任調査による評価アンケート,(4)保育者による幼児評価アンケートを実施した。結果:保育者アンケートの結果,いずれの年齢においても「遊びこみ度」と有意な相関のみられたものは,「好奇心探求心」,「やればできるという思いで取り組む」であった。3歳で有意ではなかったが,4・5歳で有意であり,3歳でも相関係数は同様の傾向を示していたものとして,「個人的自己促進」,「事例メイン」であった。小学校担任へのアンケート結果として,1年生の「本質的学習志向」の調査協力園出身児童の得点が高かった。平成28年度(1)観察の継続,(2)小学1,2年生の担任アンケートの実施,(3)保育者の保育観アンケートの実施を行った。結果:調査協力出身児童の「好奇心探究心」の高さが示された。創造性の学年差がみられ,小学1年生では広い事象への興味関心が創造性を支え,2年生になると学習課題と関連した事象への興味関心へと焦点化されていくことと学校適応との間に関連がみられた。保育者へのアンケート結果から,調査協力園の保育者は,幼児の興味関心を尊重する姿勢がみられた。
すべて 2017 2016
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 2件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)
Educational Studies, International Christian University ーInstitute for Educational Research and Service
巻: 59 ページ: 63-76
上越教育大学研究紀要
巻: 36 ページ: 347-356