中学生の心理的柔軟性を高めるプログラムの開発を目的とした一連の研究として,5つの基礎的研究及び1つの介入研究を行った。まずは,心理的柔軟性を構成する要素として注目されている体験回避と認知的フュージョンが思春期の心理的適応にどのような影響を及ぼすのかを6つの調査研究から検討した。その結果,体験回避は心理的適応の維持に関連していることが示された。続いて,こうした基礎的研究の結果に基づき,中学生の心理的柔軟性を高める学級集団を対象とした介入プログラムを作成し,実施した。その結果,介入群は統制群と比較し,ストレスや体験回避の得点に変化が見られ,介入プログラムの一定の妥当性が示された。
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