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2015 年度 実施状況報告書

協働学習において調整が社会的に共有されるプロセスの解明

研究課題

研究課題/領域番号 26380881
研究機関京都教育大学

研究代表者

伊藤 崇達  京都教育大学, 教育学部, 准教授 (70321148)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード教授・学習 / 協働学習 / 自己調整学習 / 動機づけ / 学習方略
研究実績の概要

「学びあい」を通じて「自ら学ぶ力」と「他者とともに自ら学びあう力」がいかに形成されるか,実証的に解明することが本研究課題である。平成26年度は,「社会的に共有された学習の調整(socially shared regulation of learning)」を測定する尺度の開発を行い,量的なアプローチによって実証的な検討を行った。平成27年度は,前年度の成果をふまえて,介入研究による質的なアプローチによって,さらに「学びあい」における調整プロセスとメカニズムの解明を進めた。
より統制された条件下で精緻な分析を行うため,2種類のピア・チュータリングによる学習場面を設定し,ICレコーダー及びビデオカメラによって観察記録を収集した。また,それぞれの介入実験に先立って,“socially shared cognition”,“socially shared monitoring”,“socially shared effort regulation”からなる「社会的に共有された調整」尺度,及び,“外的調整”,“取り入れ的調整”,“同一化的調整”,“内発的調整”の動機づけスタイル尺度による量的測定を行い,これらの特性によって,「学びあい」において進行する「社会的に共有された調整」や「動機づけ」のトランザクションがいかに異なる様相を示すかについて分析を行った。
とりわけ発話分析から,「社会的に共有された調整」が,課題解決に関するミクロな次元とマクロな次元を行き来しつつ,ダイナミックに展開してくるという示唆が得られている。他の学習プロセスに関する量的指標との関連についてもさらに分析を進め,実践上の示唆が得られている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の研究計画に沿って順調に進めてきている。平成26年度に実施した量的アプローチによる実証的な検討をふまえて,平成27年度には2つの介入研究を実施した。ここで見出されたトランザクショナル・カテゴリーを精選させるべく,さらに検討を進めてきている。

今後の研究の推進方策

平成27年度に実施した研究から得られた「社会的に共有された調整」を捉えるトランザクショナル・カテゴリーをもとに,学びあいの質的な解明をさらに進めていく。学習場面のタイプ化を試み,量的,質的アプローチによって実践への示唆が得られるよう,さらに研究を推進していく。

次年度使用額が生じた理由

平成28年度以降も引き続き,学習者の発話や相互作用の観察記録を分析するために,記録メディアの物品及び消耗品費,そして,謝金が必要となる。これらのデータが多量なものになることが予想されたため,これにかかる費用として次年度へ一部を繰り越して使用することとした。

次年度使用額の使用計画

平成28年度以降も引き続き,尺度による量的データのみならず,質的データを収集し,解析を進めていく。多量の質的,量的データを整理していくにあたっては補助者への謝金が必要となる。また,撮影やデータ解析にあたっても補助者に対して謝金が必要となる。そして,研究成果の学会発表や研究打合せを進めていくために旅費として研究費を執行していく予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2015

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] The Relationship between Self-Regulated Learning and Socially Shared Regulation of Learning2015

    • 著者名/発表者名
      Ito Takamichi
    • 学会等名
      16th European Association for Research on Learning and Instruction
    • 発表場所
      Limassol(Cyprus)
    • 年月日
      2015-08-28
    • 国際学会

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公開日: 2017-01-06  

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