本年度は,これまで行ったきた教示行為に関する実証的な研究をもとにして,実践的な研究を行った。具体的には二つの成果が得られた。1つは,保育者と連携しながら,保育のなかで,障害児を含めた子どもたちが,どのように教えあうのかについて実践記録をもとに,検討を行った。そのなかで,1歳半ころからすでに子どもどうしでの教えあいがはじまり,年長になっていくと,子どもどうし教えあい,話し合いながら自分たちで技術や知識を習得したり,障害のある子どもを助けることなどがみられることが明らかになった。成果を,保育者向けのテキストとして出版した。 2つは,学校教育,なかでもインクルーシブ教育とのかかわりで検討を行った。そこでは,答えが1つではない学習活動を組み入れ,かつ役割を分割・明確化することで,能力差をこえたところで,障害児どうしにおいても教えあうような姿がみられ,学習活動が進展することが明らかになった。これらの成果を,学会発表や論文などで報告した。
|