本研究では,3つのフィールドにおいて研究を行った。1つは,小学校・特別支援学級において授業分析を行った。2つは,アメリカニューヨーク州,シラキュースにある異年齢教育を行う小中学校において参与観察を行った。3つは,わが国の保育・教育・福祉実践に焦点を当てて自閉症スペクトラム障害児の教えあいについて分析を行った。 その結果,2つのことが明らかになった。1つは,様々なフィールドにおいて自閉症児同士もしくは自閉症の子どもと他の子どもとの教えあいが見られたことである。2つは,知識を有しなくても教えあいは可能であるということである。この事実は,「教える」という行為の見方をとらえなおす重要な示唆を与える。
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