研究課題/領域番号 |
26380890
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研究機関 | 京都橘大学 |
研究代表者 |
奈田 哲也 京都橘大学, 健康科学部, 助教 (20567391)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 知識獲得過程 / 感情 / ピア / 認知発達 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、感情が認知に如何に影響を与えるかという観点から、やりとりを通した知識獲得過程を検討してきた先行研究を展開し、ポジティブ感情のみでなく、ネガティブ感情の認知への影響も検討していくことであった。そのため、まず、26年度は、27年度の実験に向け、実験参加者にある程度のネガティブ感情を喚起させる課題を作成することを研究目的として挙げていた。しかしながら、研究者が、26年度の半ばに職場も異動したということもあり、課題を作成することをあまり推進させられなかった。その代わり、26年度は、以前に行った、ポジティブ感情がやりとりを通した知識獲得過程に影響する様相を検討した研究の再分析を行った。その結果、ペアのメンバー間の親密性が高い、つまり、課題遂行に対してポジティブ感情が喚起しやすい場合には、課題以外のやりとりが多くなることが判明した。さらに、この親密性がやりとりの在り様に影響を与える過程には性差があることも判明した。例えば、親密性が高いペアの場合において、自他とも、課題解決法が分からない際は、他者に対して全くサポートしないという言動をとることが多かったが、この言動は、親密性の程度に関係なく女児のペアがよくしていた。この結果から考えると、ネガティブ感情を喚起させるような他者の言動の受け止め方にも性差が生じ、結果、やりとりを通した知識獲得過程にも影響が及ぼされると考えられる。そのため、今後は、ネガティブ感情の喚起を与える課題を考えるとともに、実験参加者の組み合わせも考慮していく必要があるだろうと考え、今後、継続して行っていこうと思う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究者が、26年度の半ばに職場も異動したという経緯もあり、環境に慣れるまでに時間がかかり、26年度に行う予定であった課題作成にあまり時間がさけられなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
新たな課題を早急に考えるとともに、実験を前倒し気味に行うことで研究の遅れを取り戻していこうと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究者が、今年度の半ばに職場を異動したということもあり、今年度に行う予定であった課題を考えることを適切に行えず、その分の物品の購入を見送ったり、課題発表を行わなかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度は、課題を考える時間もとれることから、課題を考え、これに対する物品を購入していく予定である。また、今年度にまとめた研究結果を髄所で報告もしていく予定である。
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