幼児が食事場面における衛生の規範とルールを環境とのどのような相互作用を経て獲得していくかを検討した。 (1) 幼児の衛生に関する理解と大人の働きかけを検討した結果,食べ物の汚染に関する幼児の理解は社会的に与えられる情報よりも精緻であることが示された。(2) 沖縄の離島と東京の保育園の食事場面の比較を行った結果,食事場面の衛生習慣は社会的環境に深く根ざしていることが示唆された。(3) 伝染性・非伝染性の病気とケガの区別に関する理解を検討したところ,4・5歳児でも病因について内在的正義を否定し,ウィルスや細菌との接触が病気を引き起こすという生物学的理解を有していることが示された。
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