<研究1:母親の叱り方と子どもの問題行動との関連>①研究目的:母親の叱り方と子どもの問題行動との関連を検討した。②研究方法:保育園に在籍する母親126名に質問紙調査を行い47名回収した。③研究結果と意義:母親の内的作業モデルの安定性と肯定的しつけとの間に正の相関があり、暴力的及び感情的しつけとの間に負の相関が認められた。肯定的しつけと、子どもの泣きへのなだめのタッチと愛情的タッチとの間に正の相関が認められた。また、感情的しつけと子どもの自己抑制との間に正の相関が認められた。以上より、母親の肯定的しつけは、泣きへのなだめのタッチ等を増やし、感情的しつけは子どもの自己主張を抑制する可能性が示唆された。 <研究2:身体接触を用いた多世代交流講座>①研究目的:身体接触を用いて多世代交流する子育て支援講座の効果を検討した。②研究方法:親子連れや成人、思春期の子どもをもつ保護者、支援者44名に講座実施前後に質問紙調査を実施した。③研究結果と意義:講座の実施前と実施後において、「子育てにタッチが大事」や「コミュニケーションにタッチが大事」などの4項目が有意に高くなった。本講座により、対人関係に身体接触が重要であるという認識が高まった。 <研究3:身体接触を用いた叱り方プログラムの効果>①研究目的:叱り方プログラムの効果を検討した。②研究方法:叱り方に悩む幼児をもつ母親7名に8回プログラムを実施し、実施前後で質問紙調査を実施した。③研究結果と意義:抑うつ得点や叱り方尺度の各因子得点は、講座の実施前後では有意差が認められなかった。しかし、「ほめるタッチがわかる」や「問題行動への対応がわかる」など7項目が、実施前より実施後が有意傾向に高かった。また、「子に話しかける」や「子をほめる」の養育行動が、実施前よりも実施後が有意に多かった。
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