研究課題
・連携病院である依存性専門病棟を有する精神科病院において、昨年同様アルコール依存症入院患者を対象に調査を続け、60例程度の長期的なフォローアップ(最低3ヶ月後)データの収集および確認作業が無事終了した。・収集したデータについて、長期フォローアップ分も含めて退院前調査と退院後の再飲酒状況についての検討を行った。その結果、退院前に測定したアルコール-快の連合を見る潜在連合テストの得点が、同時期に自記式で測定した再飲酒リスクやアルコールへの渇望感の影響を統制しても、退院後再飲酒と有意に関連していることを確認した。なお関連の強さは測定期間が開くほど弱まっていく傾向にあり、潜在的態度測定による再発予測は1ヶ月以内の短期間で効果的であることが示唆された。一方、再飲酒リスクのうち「刺激脆弱性」下位尺度は、退院直後から3ヶ月後まで、再飲酒との有意な関連が維持された。加えて再飲酒に影響していた潜在的態度と再飲酒リスクの交互作用効果が有意となり、潜在的測度・再飲酒リスク双方の得点が高いと、再飲酒のリスクが大きく高まることを確認した。これらの解析結果を、いくつかの国際学会・国内学会で発表した。・臨床群との比較対象として、健常成人70名を対象に、アルコール-快の連合を見る潜在連合テストと飲酒渇望感や測定1週間後の飲酒量の関連を検討するためのウェブ調査を行った。・自身が開発した依存症評価系について、適用依頼のあった他の依存症関連の共同研究(短期介入効果測定・虐待との関連・ギャンブル依存等)への専門知識提供や解析および論文執筆サポートを行った。
すべて 2017 2016
すべて 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 1件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 1件)
司法精神医学
巻: 12(1) ページ: 2-10
International Journal of Environmental Research and Public Health
巻: 13(8) ページ: -
10.3390/ijerph13080812
日本アルコール・薬物医学会雑誌
巻: 51(3) ページ: 184-202
巻: 31(2) ページ: 135-172
アディクションと家族
巻: 31(2) ページ: 129-140