研究課題/領域番号 |
26380918
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
沢宮 容子 筑波大学, 人間系, 教授 (60310215)
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研究分担者 |
岩壁 茂 お茶の水女子大学, 大学院人間文化創生科学研究科, 准教授 (10326522)
濱口 佳和 筑波大学, 人間系, 教授 (20272289)
福島 哲夫 大妻女子大学, 人間関係学部, 教授 (60316916)
青木 みのり 日本女子大学, 人間社会学部, 教授 (80349175)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 楽観性 / 予防的アプローチ / ポジティブ心理学 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、「対人的楽観性に焦点を当てた抑うつの予防的アプローチ法」を開発し、その効果を検討することである。 本研究で取り上げる楽観性(楽観的)という概念については、Abramson, Seligman, & Teasdale(1978)が、無力感の対応策として楽観的な期待の必要性を論じたことに端を発し、そのネガティブな側面も含め数々の実証的な研究がなされてきた(e.g., Boyer、2006;Seligman、1991;戸ヶ崎・坂野、1993)。Seligman & Csikszentmihalyi(2000)が提唱したことで知られる「ポジティブ心理学」の重要な概念であり、心身の健康回復やストレス緩和にプラスの影響を及ぼすとされる(e.g., 藤南・園田, 1994;Umstattd, McAuley, Motl, & Rosengren, 2007)。 抑うつ研究における、予防的アプローチの重要性はよく知られており、関連する研究も多数あるが、本研究では、ポジティブ心理学のモデルに基づき、楽観性という人間のポジティブな側面に焦点を当てた「肯定的介入」を行っている。 当該年度においては、「対人的楽観性の変容が抑うつの低減にいかなる効果を及ぼすか」について、検討を行った。具体的には、対人的楽観性の変容が抑うつの低減に及ぼす効果――「対人的楽観性のグループプログラム」について、その効果を明らかにする研究を継続して行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
対人的楽観性の変容が抑うつの低減にいかなる効果を及ぼすかについて、検討を行っ た。対人的楽観性のグループプログラムについて、その効果を明らかにする研究を継続 しており、おおむね予定通りに進展している。
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今後の研究の推進方策 |
長期フォローアップを測定するなど、効果を明らかにする研究を、さらに継続して 行っていく。また、ドロップアウトした対象者と残っている対象者において、ベースライ ンとなる特徴にいかなる差があるかについても確認をしつつ、検討を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
初年度ということもあり、事前調査に予想外の日数を要したため。
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次年度使用額の使用計画 |
学会大会で成果発表を行う際の旅費等として用いる計画である。
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