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2014 年度 実施状況報告書

認知機能障害を中核症状とする人々の遂行機能障害の発現機序に関する計量心理学的検討

研究課題

研究課題/領域番号 26380919
研究機関東京学芸大学

研究代表者

松田 修  東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (60282787)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード遂行機能障害 / 発達障害 / 認知症 / 認知機能 / 遂行機能 / 実行機能 / ASD / ADHD
研究実績の概要

本年度は,(1)遂行機能(実行機能と同義)困難度自己評価尺度の作成,(2)遂行機能の個人差と発達障害傾向の個人差との関連の検討,(3)認知症の遂行機能を評価する評価尺度と認知課題の検討を行った。
第一の遂行機能の困難度に関する評価尺度の作成では,日常生活場面の遂行機能困難に注目した項目からなる自記式の評価尺度を作成し,大学生らを中心とした非臨床群のデータに基づき,構成概念妥当性の検討を行った。遂行機能の質問項目は,アメリカ精神医学会によるDSM-Vの神経認知領域や,先行研究において著名な研究者らが提案した構成概念などを参考に作成した。探索的因子分析の結果,「転換(セットの切り替え/認知的柔軟性)」,「更新(ワーキングメモリ)」,「意思決定」,「活動意欲/アパシー」,「プランニング」,「モニタリング」の各因子が抽出された。確認的因子分析による尺度の妥当性の確認も行った。
第二の遂行機能の個人差と発達障害傾向の個人差との関連に関する検討では,上述の非臨床群を対象に,(1)で作成した尺度によって作成した遂行機能困難度の程度と,ASDやADHD傾向の個人差との関連を分析した。その結果,これらの変数間の間に有意な関連が認められた。特に,ADHD傾向の個人差と遂行機能困難度尺度との関連が示されたことから,ADHDの有力なモデルの一つとされる遂行機能障害モデルに合致する結果が得られたものと考えられる。
第三の認知症の遂行機能を評価する評価尺度の作成と検討では,認知症による遂行機能の低下を評価するための2種類の評価尺度を作成した。一つは本人が記入するもので,もう一つは家族や本人の生活の様子をよく知るものが記入するものである。さらに,認知症の人々にも実施可能な遂行機能検査に関する検討も行った。現在のところ,ワーキングメモリを中心とした認知課題による測定を計画している。これらの尺度の信頼性と妥当性に関する検討は次年度の課題である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

遂行機能の測定・評価に関わる尺度作成と,その検討を行うことができたから。また,非臨床群における発達障害傾向と遂行機能の個人差との関連を検討し,今後の臨床群研究における示唆を得たから。

今後の研究の推進方策

遂行機能の構成概念および測定・評価方法について引き続き検討を続ける。非臨床群における理論研究に加えて,今後は臨床群に対する臨床研究の本格実施に向けて研究を推進する。

次年度使用額が生じた理由

研究遂行に費用な支出内容に変更が生じたため。

次年度使用額の使用計画

差額については次年度の研究実施において確実に執行する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2014

すべて 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [学会発表] 遂行機能障害とその評価:生活場面における遂行機能障害の評価2014

    • 著者名/発表者名
      松田 修
    • 学会等名
      日本老年精神医学会
    • 発表場所
      日本教育会館
    • 年月日
      2014-06-12 – 2014-06-12
    • 招待講演

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公開日: 2016-05-27  

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