研究課題/領域番号 |
26380922
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研究機関 | 上越教育大学 |
研究代表者 |
高橋 靖子 上越教育大学, 学校教育研究科(研究院), 准教授 (20467088)
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研究分担者 |
木野 和代 宮城学院女子大学, 学芸学部, 准教授 (30389093)
村中 智彦 上越教育大学, 学校教育研究科(研究院), 准教授 (90293274)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 子育て感情 / 発達障害 / 母親 / 移行期 / 共感性 / ソーシャルサポート |
研究実績の概要 |
幼稚園・保育園から小学校への移行期において、発達障害のある子どもの養育者にとって、子どもの発達理解を深めながらも、就学環境の調整役として家族、幼稚園・保育所、療育施設や行政との連携を求められるストレスフルな時期である。 本年度は、過年度に実施した発達障害が疑われるこどもの母親を対象じ育児ストレスとソーシャルサポート、子どもの行動に関する調査の分析を行った。その結果、本調査の母親は対照群である一般の母親より、友人からの道具的サポートが有意に少ないこと、先行研究のデータより育児への不安や子どもの発達への懸念が高い傾向が示された。 これらの結果をもとに、母親のネガティブな育児感情だけでなくポジティブな感情も含めて育児感情を測定できる尺度を開発を試みた。一般の母親を対象に作成された「子育て感情尺度(田中,2014)」に項目を追加修正するため、小学校就学前後の母親へのインタビューの再分析,および障害が疑われる母親対象に自由記述による調査を実施した。その結果、移行期特有のストレスや望ましいサポートについていくつかの特徴を抽出した。 また、母親の子育て感情と環境要因としてのソーシャルサポート、個人特性としての共感性との関連を調査するため、療育トレーニング教室に通う子どもの母親を対象に質問紙調査を実施済みであり、来年度小学校入学後の縦断調査に向けて現在準備中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
前年度に作成した「子育て感情尺度」(田中、2014)の因子構造には、移行期特有の因子が含まれている。しかし、信頼性等の問題より項目の追加修正を行う必要が生じた。そのため、今年度改めて初回調査を開始し、次年度には子育て感情尺度を使用した継続調査を実施する予定である。また、研究代表者の職場の異動に伴い、調査フィールドの見直しを余儀なくされている。以上より、やや遅れていると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
これまで育児ストレスやサポートについて複数の類似尺度を使用しているが、内容を精査した上で、発達障害が疑われる子どもの母親にとって妥当性がみとめられ負担の少ない項目を選択したい。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度はフィールド先との調整不足により質問紙調査が中心となり、個別面接によるデータ収集を行うことができなかった。そのため、人件費や交通費、謝礼などの使用額が少なくなった。
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次年度使用額の使用計画 |
発達に課題のある子どもの母親との面接および質問紙調査を実施するために、研究者間で協議しながら研究フィールドの調整が必要である。また、本研究で使用する面接の実施方法について新たに検討したい。そのために、人件費・交通費、通信・輸送費、各種消耗品の支出を予定している。
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