研究課題/領域番号 |
26380928
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
竹田 伸也 鳥取大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (00441569)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 早期発見 / 認知症検診 / 認知症予防 / 竹田式三色組合せテスト / アルツハイマー病 |
研究実績の概要 |
本年度は、包括的認知症検診プログラムの開発に向け、認知症検診に関する先行研究のレビューを実施するとともに、認知症検診プログラムで用いるツールの検討を行った。 このうち、認知症検診プログラムで用いるツールの一つとして考えている竹田式三色組合せテスト(TTCC)によるアルツハイマー病の早期発見について検討した。The National Institute of Neurological and Communicative Disorders and Stroke and the Alzheimer’s Disease and Related Disorders Association (NINCDS-ADRDA) においてprobable AD の基準を満たし、Mini-Mental State Examination (MMSE)で21点以上かつClinical Dementia Rating (CDR)の全領域で0.5と評価された超早期のアルツハイマー病患者群(very mild AD群)55名、 Petersenの健忘型軽度認知障害(aMCI)の基準を満たし、MMSE24点以上かつCDRで記憶領域が0.5および残りの領域が0を示したaMCI群45名、健康な高齢者からなる対照群54名の3群でのTTCCの違いを検討した。 その結果、TTCCのvery mild ADへの感度は76%、aMCIへの感度は47%、特異度は83%が示された。また、健康な高齢者がTTCCで陽性と判定される確率を1としたところ、very mild ADでは16.2倍(95%CI:6.3-41.7)、aMCIでは4.4倍(95%CI:1.7-11.0)陽性を示しやすいことがわかった。 以上より、TTCCはアルツハイマー病の早期発見に有用であり、包括的認知症検診プログラムのツールとして利用できることが示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は、認知症早期発見のためのプログラム開発の予備的検討以外に、認知症検診受診に関する促進および阻害要因について検討することを目指していた。 認知症早期発見に向けた予備的検討は進んでいるものの、検診受診行動についての基礎的検討が不十分であるため、やや遅れていると評価した。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、認知症検診受診に対する促進および阻害要因についての検討を進めるとともに、包括的認知症検診プログラムの作成を目指す。 認知症検診受診についての促進および阻害要因についての質問紙調査を実施し、検診受診行動をコントロールする要因について探索する。また、平成26年度の研究成果と本調査の知見等を踏まえた包括的認知症検診プログラムを開発する。当該プログラムでは、認知症の早期発見だけではなく、予防的視点も取り入れ、認知症の早期発見と予防が地域で実施できるためのプログラムの開発につなげる。以上のプログラムをモデル地域で実践し、その有効性について検討する。
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