研究課題
人は起きている時間の多くを「心ここにあらず」の状態で過ごしている(マインドワンダリング)。本研究では一般には不適応的と考えられているマインドワンダリングが幸福感につながる条件を検討してきた。具体的には,マインドワンダリングが幸福感に及ぼす影響を,どのような条件が調整するのかを検討してきた。マインドワンダリングは,ある課題の遂行中にそこから注意が離れること,と定義されている。課題から注意が離れているときには,自己や将来に関連した思考や空想(白昼夢など)が生じている。自己注目や白昼夢が不適応につながりやすいことは知られている。しかし,自分の体験を見つめたり,自己について振り返ったり,将来について思い描いたりすることや,空想をふくらませることには重要な機能もあると考えられる。平成28年度は横断研究と縦断研究を行った。研究期間全体を通じて,下記の結果を得た。1.マインドフルネスがマインドワンダリングの下位概念である反復思考に媒介されて多くの症状を低減させる。2.アニメの消費とマインドフルネスの高さが,マインドワンダリングが幸福感を予測するための条件である。3.生産的な問題解決の思考がかえってストレス状況やストレス反応を悪化させる条件を明らかにした。平成28年度はJournal of Hapiness Studies,Journal of Anxiety Disorders,Neuropsychiatric Disease and Treatment,Psychologyという国際誌に各1論文,Psychological Reportsという国際誌に2論文が掲載された。国内誌パーソナリティ研究にも1論文が採択された。Advances in Psychology Research. Volume 121(Nova Science)という図書に1論文が収された(英文)。
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すべて 国際共同研究 (6件) 雑誌論文 (13件) (うち国際共著 1件、 査読あり 13件、 オープンアクセス 12件) 学会発表 (12件) (うち国際学会 7件、 招待講演 1件) 図書 (5件)
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