心理劇は即興劇を用いる集団心理療法のひとつである。心理劇はすべての参加者の自発性と創造性によって成り立っているのである。つまり、治療として用いるにしても、教育として用いるにしても、心理劇の適用における重要な側面は集団の凝集性と受容性である。本研究の目的は参加者が緊張感や抵抗感を抱かずに心理劇に参加することを可能にする効果的な技法の開発である。様々な検討の結果、参加者の心理的状態を配慮した心理劇の適用が重要であることが示された。特に、心理劇の経験があまりない参加者に対しては参加者が場面を想像しやすい言語・非言語刺激を用いるソシオドラマ(社会劇)の技法が有効であることが示唆された。
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