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2014 年度 実施状況報告書

「継続する絆」における自伝的記憶の機能

研究課題

研究課題/領域番号 26380935
研究機関愛知県立大学

研究代表者

田上 恭子  愛知県立大学, 看護学部, 准教授 (80361004)

研究分担者 山中 亮  北海学園大学, 経営学部, 教授 (20337207)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード心理的障害 / 悲嘆 / 自伝的記憶
研究実績の概要

本研究は,対象喪失に伴う悲嘆の過程を自伝的記憶の機能という観点から理解しようとするものであり,特に“継続する絆(continuing bonds)”に着目し,継続する絆における自伝的記憶の機能,その機能の変化,適応や精神的健康との関係について,多面的な検討を通して明らかにすることを目的としている。その中で,今年度の研究の目的は,先行研究の包括的で詳細な文献展望を行い(研究1),故人を含む自伝的記憶の内容と特徴について,故人との関係性や喪失後の期間等による違い,及び精神的健康との関連について,質問紙調査によって明らかにすること(研究2)であった。
今年度は悲嘆と自伝的記憶に関する文献展望を中心に行い,特に複雑性悲嘆と自伝的記憶との関連を検討している現在の研究動向を整理した。結果として,1. 認知行動療法の枠組みに基づく研究,2. 抑うつにおける自伝的記憶の特徴に関して提唱された自伝的記憶モデルを援用した研究,の大きな2つの流れがあることが明らかとなり,包括的モデルの構築も試みられていることが示された。そして今後のこの研究領域の課題として,モデルに関する実証研究の蓄積,自伝的記憶の機能への着目,“継続する絆”の観点の考慮などの必要性が考察された。以上の研究結果について,学会発表を行った。今後の研究計画においてはこれら文献展望の結果を反映させ,検討していく。
研究2に関しては,計画の立案にとどまり,実施までには至らなかった。次年度の前半に実施できるよう,さらに具体的に検討していきたい。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

文献展望及び質問紙調査実施のための文献検討に時間を要してしまい,実施予定であった質問紙調査を年度中に行うことができなかったこと,文献展望に関する論文を執筆し投稿する段階まで達しなかったことから,やや遅れている状況である。

今後の研究の推進方策

次年度は,今年度行った文献検討の結果を踏まえ,実施予定であった質問紙調査(1)と,それを発展させた質問紙調査(2),さらに面接調査を実施する予定である。より速やかにスムーズに研究が進むよう,分担研究者と綿密に打ち合わせを行う。特に質問紙調査と面接調査に関しては並行して計画・実施を進めることとする。

次年度使用額が生じた理由

文献展望に時間を要し,文献展望に関する論文投稿にまでは至らなかったため。またこの遅れに伴い,当初計画していた質問紙調査を実施するに至らなかったため。

次年度使用額の使用計画

1. 論文投稿の準備: 論文投稿に際して,必要な消耗品費,英文校閲費,必要であれば掲載料に充てる。
2. 質問紙調査実施経費: 当初計画通りリサーチ会社に質問紙調査の実施を委託する経費に充てる。また計画準備に必要な消耗品費に充てる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2014

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 複雑性悲嘆と自伝的記憶に関する研究の動向(Research trends in complicated grief and autobiographical memory)2014

    • 著者名/発表者名
      田上恭子・山中亮
    • 学会等名
      2014 Asian Society of Human Services Congress in Sapporo
    • 発表場所
      北海学園大学(北海道・札幌市)
    • 年月日
      2014-07-27 – 2014-07-27

URL: 

公開日: 2016-05-27  

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