28年度は、これまでの2年間とは全く違う種類のスーパーヴィジョンについての知見を深め、実践的に研究を進めていった。 具体的には、クライエントの感情体験を深めるための介入を、セラピストがどのように進めていくかについて、セラピスト自身の感情体験を深めることを促進するようなスーパ―ジョンについて、研修会参加と実践を行った。 これらを含めて、スーパーヴィジョンのあり方について、さらに広い視野から理論的にも整備して、位置づけた。 上記の結果、これまで一般的とされてきたスーパーヴィジョンのスタイルであるFriedlander & Ward(1984) による3つのスーパーヴィジョン・スタイル「魅力的なスタイル(attractive style)」、「対人関係に敏感なスタイル(interpersonally sensitive style)」、「課題に焦点化したスタイル(task-oriented style)」とは異なる、「従来型のスーパーヴィジョン」「統合的技法中心のスーパーヴィジョン」「体験を深めるスーパーヴィジョン」という分類が有効とされた。
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