研究課題/領域番号 |
26380952
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
岩満 優美 北里大学, 医療系研究科, 教授 (00303769)
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研究分担者 |
竹村 和久 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (10212028)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 統合失調症患者 / 選好 / 描画 / 精神症状 / 認知機能 |
研究実績の概要 |
統合失調症患者および健常者を対象に、図形の選好を実施するための予備的な実験を行った。統合失調症患者の対象者に負担がかからないよう、これまで用いてきた刺激図形をこのまま用いてよいかなど、より実験に取り組みやすい刺激図形について検討した。 本研究の課題は、様々な比率で描かれた矩形を提示し、その矩形がもっとも美しく見えるようにその矩形内の任意の位置に1本の直線(水平・垂直)を描くように教示する課題であるが、統合失調症患者の場合、これまで行ってきた結果と同様に、全般的に対称性の図形を好む傾向が認められた。今後は、さらにデータを収集し、統合失調症患者の精神症状を測定することができるPositive and Negative Syndrome Scale (PANSS)による精神科医の精神症状(陽性症状・陰性症状)の評価、および全体的機能評価などとの関係からデータ分析を実施する。一方、健常者を対象としたデータ収集はこれから行うが、統合失調症患者との比較だけではなく、健常者の性格などの個人属性との関係からも図形の選好について検討する予定である。 矩形内に1本の直線を描くという課題を行った後に、それぞれの対象者に個別に、なぜそのような線を描いたのか、どのような理由で行ったのかなどについて詳しく聞いていくため、この課題後の感想について質的に分析することも同時に行っていきたいと考えている。 統合失調症患者の場合、これらの課題遂行には認知機能が関与していると考えられるため、統合失調患者の認知機能を測定する質問紙や検査について調べ、この研究課題に加えることができないか検討している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在、データを収集し始めている。 今後も継続してデータを収集していく予定であるが、研究分担者や研究協力者との連携もうまくいっており、おおむね順調に研究が進んでいると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度と同様、統合失調症、さらには健常者のデータを収集していく。 データを収集しながら、データ分析を行っていく。 また、統合失調症患者を対象とした認知機能の検査を実施することを今年度は検討していきたい。 さらに、アイカメラを使用する研究の準備を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が0円ではなかった理由は、予定していたデータ収集を実施しなかったため、その分の人件費や旅費などが約2万円残った。
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次年度使用額の使用計画 |
データ収集のための旅費や人件費として使用していく予定である。
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