研究課題/領域番号 |
26380952
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
岩満 優美 北里大学, 大学院医療系研究科, 教授 (00303769)
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研究分担者 |
竹村 和久 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (10212028)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 統合失調症患者 / 選好 / 描画 / 精神症状 / 認知機能 |
研究実績の概要 |
昨年度に引き続き、これまでの実験を継続して行った。統合失調症患者17名と健常者50名を対象に、14種類の図形を提示し、もっとも好ましいと思われるところに1本の分割線を描くという課題を実施し、その後感想も聞いた。統合失調症患者と健常者との比較検討を行うために、統合失調症患者の年齢とをマッチングさせるため、健常者は38名を分析対象者とした。垂直に分割する場合、統合失調症患者では47.1%から76.5%が、健常者では21.1%から44.7%が対称に分割し、水平に分割する場合、統合失調症患者では35.3%から53.9%が、健常者では2.6%から34.2%が対称に分割した。これまでの分析結果と同様に、統合失調症患者は健常者と比べて対称に分割する頻度が高い図形が多く認められた。特に、水平に分割する場合にそれはより顕著であった。 次に、統合失調症患者の精神症状と対称性選好との関係について検討をした。対称に分割した患者は非対称に分割した患者と比べて、陽性症状、陰性症状、および総合精神病理などの精神症状が重い傾向が認められた。これらの内容は、日本精神外来学会および国際応用心理学会にて発表を行った。 以上より、統合失調症患者の対称性選好は各々の症状の重さや、不安、抑うつなどの気分状態および注意の障害などの認知障害、陽性症状や陰性症状などの精神症状を反映している可能性が示唆された。今後も研究を継続して行い、検討していく予定である。特に、注意の障害などの認知障害については検討を行っていきたい。そのため、アイカメラを用いた研究についても準備を進めており、実際に統合失調症患者で行う予定としており、認知機能との関係について検討していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
健常者は50名は集まり、また統合失調症患者のデータも集まりつつある。今後も継続して行っていく予定である。統合失調症患者についてはデータ収集が遅れているため、研究施設を増やし、その手続きも終えたところである。
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今後の研究の推進方策 |
健常者および統合失調症患者のデータ収集を継続して行っていく。アイカメラを用いた研究についても夏までには実施できる予定となっている。
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