研究課題/領域番号 |
26380962
|
研究機関 | 白百合女子大学 |
研究代表者 |
眞榮城 和美 白百合女子大学, 人間総合学部, 准教授 (70365823)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2019-03-31
|
キーワード | 自己有能感 / 社会的受容感 / 移行期 / 小1プロブレム |
研究実績の概要 |
本研究は、移行期における自己有能感・社会的受容感の発達に影響を及ぼす要因(主に学校と家庭との関係性)について明らかにすることを目的としている。 H28年度には、①就学前後の時期における自己有能感・社会的受容感の発達に影響を及ぼすと想定される要因の検討を重ねることが可能なデータの蓄積(縦断研究への協力に承諾が得られているご家庭への質問紙調査の実施)、及び、②親子インタラクションと子どもの自己有能感・社会的受容感との関連に関する検討が可能なデータの解析(就学前の時期に行われた家庭観察データに基づく詳細な分析を中心に成果報告)を行った。 ①のH28年度質問紙調査においては、102家庭の調査協力を得ることが可能となった。②の親子インタラクションと子どもの自己有能感・社会的受容感に関する要因検討については、家庭観察調査で得られたデータの解析を進めることが可能となった。 具体的には、Kelley.S.,Brownell.A.&Campbell.B.,(2000)によって作成された「親の評価的フィードバックと子どもの反応評定マニュアル」に基づいて評定したカテゴリ-分類済データと質問紙調査で得られた子どもの自己有能感・社会的受容感との関連について縦断的な検討を行った。その結果、親子インタラクション場面において、親から肯定的なフィードバックを受けることは、その後(約1年後)の子どもの自尊感情を高める効果を持つ可能性が確認された。また、家庭内の社会経済的状況がポジティブな親子インタラクションに正の影響を及ぼす傾向が示唆された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究実施者の所属変更にともない、H27年度に予定していた質問紙調査がH28年度実施にずれこんだため。また、面接調査の進捗状況が遅れており、データの整理および成果報告が当初予定通りに進んでいないため。
|
今後の研究の推進方策 |
H29年度には、H28年度に実施したデータの入力作業を進め、2時点以上の調査協力が得られているデータを中心に解析、成果報告を行っていく。 H29年度には面接調査を行い、質問紙調査で得られている知見の深化を目指す。
|
次年度使用額が生じた理由 |
研究実施者の所属変更にともない、計画していた調査の実施時期がずれ込み、当初予定していたデータ入力作業に必要な費用が発生しなかったため。次年度中にはデータ入力作業を実施するため、必要な費用となる。また、同様の理由により実施が難しかった実験調査・面接調査についても次年度に実施するため次年度使用額が生じた。
|
次年度使用額の使用計画 |
次年度は、本年度実施したデータの入力作業を行うため、データ入力(業者委託またはデータ入力アルバイトの人件費)の費用として使用する。また、実験調査・面接調査の実施に際して、調査協力者への交通費・謝礼・実験実施補助員への人件費・実験にかかわる物品の購入費として使用する。
|