研究課題/領域番号 |
26380967
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研究機関 | 追手門学院大学 |
研究代表者 |
永野 浩二 追手門学院大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (80330166)
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研究分担者 |
福盛 英明 九州大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (40304844)
森川 友子 九州産業大学, 国際文化学部, 准教授 (70368877)
平井 達也 立命館アジア太平洋大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (80389238)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 日常におけるフォーカシング的態度 / FMS / 体験過程尊重尺度 / フォーカシング / メンタルヘルス / 健康心理学 / 自己実現 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、体験過程尊重尺度(The Focusing Manner Scale : 以下FMS)の標準化である。2015年度は以下の研究を行った。 (1)FMSの構成概念の検討:内外の文献を網羅し、その知見からFMSの構成概念の検討を行った。永野・福盛・森川・平井(2015)「体験過程尊重尺度(FMS)の意味と可能性」として日本人間性心理学会第34回大会にて発表。 (2)FMS-18(森川・永野ら,2014)を用いた併存妥当性の検討。大学生活の質との関連性を元に検討。福盛・永野・森川・平井(2015)「体験過程を尊重する態度と大学生の生活の質・コミュニケーション ーFMS18を用いてー:として日本人間性心理学会第34回大会にて発表。また、成人男性を対象とし、ストレス反応、仕事へのモチベーション等の関連を検討した。内田・永野・福盛・平井・森川・山根・水本・岩佐・吉岡・黒木・森郎(2015)「フォーカシング的態度が心理的ストレス反応や仕事のモチベーションに及ぼす影響ついての一考察」として、第23回日本産業ストレス学会にて発表。 (3)FMSの研究者を集めた学会シンポジウムの開催。「日常生活におけるフォーカシング的態度について考える」企画者:永野浩二・福盛英明・森川友子・平井達也 司会者:永野浩二・平井達也 話題提供者:永野浩二・森川友子・青木剛・上西裕之・平井達也 指定討論者:池見陽・福盛英明日本心理臨床学会自主シンポジウム 日本心理臨床学会第34回大会
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の目的であるFMS改訂版の妥当性・信頼性の検討は、以下の6つの研究を予定していた。 ①尺度作成と因子分析による検討(1年目)、②専門家評定(1年目)、③他の尺度との関連検討(1年目)、④フォーカシング経験群と統制群の比較(2年目~3年目)、⑤臨床群と統制群との比較(2年目~3年目)、⑥臨床群に対する縦断的検討(2年目~3年目)。 この内、①、③は終了しており、⑤は第1研究が終了し、さらにデータを増やして検討する必要性が生じたため、現在第2研究を企業系の病院の協力も得て進めている。 一方、⑥の臨床群に対する継続的な検討は、実際の被験者の都合もあり、もう少し長く期間を設ける必要性が生じている。 以上、全体としては最も必要な研究は、ほぼ順調に進んでいると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
1.社会人を対象としたデータが順調に集まってきているので、2016年度には社会人データを用いて、共分散構造分析を用いて、FMSの構造を検討し、構成概念の妥当性を更に検討する。 2.また、さらに現場で使える質問紙にするために、項目数を厳選したFMS12の作成と妥当性・信頼性の検討も行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定していた海外文献の購入を次年度に回したことにより、文献収集費が10万程度安く上がっている。また、2015年度に予定していたフォーカシング経験者へのインタビュー実施の際の被験者謝金とデータ入力アルバイトへの支払いの分、10万程度が未使用となっている。
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次年度使用額の使用計画 |
2016年度は、本来予定していた海外文献の収集を行う。また、妥当性の検討のために複数のフォーカシング経験者にインタビューを行い、その際の研究協力謝金およびデータ入力アルバイト代として使用する予定である。
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