研究課題/領域番号 |
26380968
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研究機関 | 関西福祉科学大学 |
研究代表者 |
谷向 みつえ 関西福祉科学大学, 社会福祉学部, 教授 (20352982)
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研究分担者 |
赤澤 淳子 福山大学, 人間文化学部, 教授 (90291880)
桂田 恵美子 関西学院大学, 文学部, 教授 (90291989)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | Attachment Doll Play / 児童養護施設 / アタッチメント再構築 / Dタイプ |
研究実績の概要 |
本研究はAttachment Doll Play(George & Solomon, 1990, 1996, 2000)を用いて、児童養護施設入所児童(4-7歳)のアタッチメントの経年的変化を追跡し、児童の愛着表象の再構築に寄与する個人内外の要因(愛着対象となりうる重要な大人との関係性など)について検討することを目的としている。 初年度である平成26年度は、児童養護施設と協議の上、対象となる児童の選定を行い、1次アセスメントとしてのAttachment Doll Playの実施とテキストデータの作成に着手した。また、平成22-24年度の「児童養護施設入所児とケアワーカーの愛着及び相互作用に関する基礎研究」(科学研究費基盤研究(C)、課題番号22530777)において対象であった児童のうち、現在も継続入所している児童に、2回目のAttachment Doll Playを実施した。またアタッチメントの変化に寄与する周囲との関係性を検討するために、絵画愛情関係テスト(Takahashi,1990)をAttachment Doll Playと同時期に実施した。 さらに児童のケア状況を把握するための項目を検討し、施設の規模と形態、施設や学校の大人との関係(担当ケアワーカ、担任教師、週末里親など)、大人との個別の関わりの頻度(担当ケアワーカーと1対1で過ごす機会など)、心理的ケアの有無(心理療法、グループ活動)、子ども同士の関係(施設内、学校)、家庭との関係(連絡・面会・外泊の有無)などの実態について、個別のケース状況に配慮しながら可能な範囲で聞き取ることとした。 平成26年度末の段階で、3施設あわせて継続入所児童5名、新規児童26名を対象とする予定である。また、継続入所児童の2次アセスメントから、アタッチメントDタイプの改善がみられたケースがあった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究計画において平成26年度は、①児童の選定とケア状況の把握、②1次アセスメントの実施予定で概ね順調に進展しているが、分担研究者の異動等により、一部の対象児童は1次アセスメントが平成27年度にずれ込む見込みである。
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度は1次アセスメントで施行したAttachment Doll Playの査定と、他の変数との関連を予備的に検討する予定である。特に継続入所児童の2次アセスメントから、アタッチメントタイプの改善が認められており、その改善に寄与する要因について個別に検討を加えたいと考える。そのうえで平成28年度の2次アセスメントの内容についてより重要な変数の追加を検討したい。
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次年度使用額が生じた理由 |
Attachment Doll Playのテキスト変換の作業に関する人件費の消化が平成26年度末に間に合わず、平成27年度にずれ込む予定である。物品費に関して、Attachment Doll Playの道具の補充・買い替えを予定していたが、製品の製造が中止されていたり代替品をうまく見つけることができなかったものがある。
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次年度使用額の使用計画 |
平成26年度のAttachment Doll Playのデータテキスト化作業がずれ込んでいるため、人件費に多く使う予定である。また、Attachment Doll Playの道具の補充を進める。
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