研究課題/領域番号 |
26380969
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研究機関 | 藍野大学 |
研究代表者 |
目良 宣子 藍野大学, 医療保健学部, 講師 (20511596)
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研究分担者 |
鈴木 太 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (30542683)
山田 恒 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (20464646)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | ひきこもり / SFS-AY / 社会的機能尺度 / アウトカム / 治療プロトコル |
研究実績の概要 |
ひきこもりの背景に存在するであろう精神障害は多様であり、ひきこもりであるがゆえに、その評価や治療介入は困難である。現在、ひきこもりを対象とした臨床評価尺度は存在しない。それ故、ひきこもり自体に対する心理療法の有効性の検証はほとんどなされてこなかった。数多くのひきこもり研究があるにも関わらず、エビデンスが不足している理由でもある。 本研究の目標は、ひきこもりを呈する症例を対象として、その背景に存在する精神障害に関わらず同一の診断横断的治療プロトコルを作成(研究I)して介入し、その介入効果をSOFAS(社会的職業的機能評定尺度)で測定し、SOFASの信頼性を高め、かつ、迅速に簡便に測定する評価尺度としてSFS-AY尺度(社会的機能尺度 思春期・青年期版)を開発し、その信頼性・妥当性の検討(研究Ⅱ)を行い適正化を図ることである。 今年度は、行政の独自事業として民間機関に委託する形で相談支援施設を設置し、ひきこもり支援事業に取り組んでいるサービスを利用中の青年の中から、層化抽出法によってサンプリングされた96名の社会的機能障害、年齢、性別、支援期間を測定し、SFS-AYによって算出されたSOFASをアウトカムとして、社会参加に関連する対象者属性や、支援効果の検討を行い、ひきこもり等社会参加に困難を持つ青年の重症度を計測して支援効果を測定すること、および、その妥当性について議論する機会(第55回日本児童青年精神医学会)を得た。SFS-AYが、ひきこもり評価の標準的な尺度になれば、現在全国各地で実践されている支援を適正に評価することが可能になる。 尺度のアルゴリズムの確立に予想以上に時間を要しているが、研究グループでさらに検討を重ね、ウエブ上及びアンドロイド版で対応可能な尺度として開発調整中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
平成26年7月~10月の約3か月間、体調を崩して休職したため、研究グループの取り組みが停滞した。 尺度のアルゴリズムの確立に、予想以上に時間がかかっている。
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今後の研究の推進方策 |
今年度、ひきこもりの家族あるいは本人に対して、構造化面接を行い、SOFAS(社会的職業的機能評定尺度)、病識検査を用いて、本人の状態像を客観的に評価する。同時に、SFS-AY尺度を用いその信頼性・妥当性を検討する。評価及び検討は、精神科医・心理士・保健師の三者の協議でもって判断する。SFS-AY尺度の改定には上記三者と社会学者の四者で適宜検討を重ね、適正化を図る(研究Ⅱ)。 研究Ⅰについては、研究分担者・研究協力者のフィールドにて介入研究の準備及び実施を行うため、担当の心理職は、MI研修に参加のためその費用を本申請の研究費から支出する。
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次年度使用額が生じた理由 |
体調不良で休職した期間があり、研究が停滞し、研究分担者への研究費の配分が滞ったため。
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次年度使用額の使用計画 |
当初の予定額を上乗せて、研究分担者に配分する。介入研究および尺度の検討にかかる心理職の雇用に充てる。
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備考 |
現在調整中
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