本研究は,視覚・聴覚同時呈示法を用いた事象関連電位による虚偽検出の効果について検討した。特に,本研究では,視覚・聴覚同時呈示法の実務導入に向けた諸問題の検討を行った。それは,(1)自我関与刺激を用いた単一プローブ課題の検討,(2) 模擬シナリオ課題を用いた単一プローブ課題の検討,(3)文字刺激と画像刺激の比較,(4)末梢神経系と中枢神経系指標の比較,(5)模擬犯罪と検査の間の期間の検討,(6)妨害工作の影響の検討である。これらの結果は,事象関連電位による虚偽検出の実務への応用が,視覚・聴覚同時呈示法によって実現可能であることを示唆した。
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