学童保育に勤務する120校360名の主任支援員、支援員、補助支援員に対して、学童保育のあり方に関する質問紙調査を郵送による方法で行った。調査内容は、「対応に難しさを感じる子どもの特徴」、「連携」「目指す学童保育」についての無記名の5件法であった。回収率は83%(100校291名)であった。 調査内容ごとに因子分析をその結果、「対応に難しさを感じる子ども特徴」では、「他者への加害行動」因子、「自己中心・自己制御困難」因子、「学習困難・遊び中心」因子、「不注意」の4因子が抽出された。「連携」では、「支援者相互連携」因子、「専門家の支援」因子、「連携」因子、「第3者への情報提供」因子、「支援員の資質向上」因子5因子が抽出された。さらに「目指す学童保育」では、「遊び体験」因子と「勉強」因子の2因子であった。 調査内容を支援員の立場「主任支援員・支援員」と「補助支援員」、支援員の経歴「教員免許等の有無」、「勤務年数」によって、比較分析した結果、「主任支援員・支援員」は、「支援員相互の連携」が十分でないと感じており、より責任のある立場の支援員が支援者同士の連携を求めていることが分かった。経歴では、「小学校免許」を持つ支援員は「他児への加害行動を」をする子どもに困難感を持ち、「免許」を持たない支援員は「保護者への情報提供をよく行っている」と意識している。勤務年数では、勤務年数の少ない支援員は「家庭、学校、地域との連携」が十分に取れていないと意識していた。 学童保育へのスクールカウンセラーの関わりは、調査対象校ではほとんどなかったが、学童保育に特化して「臨床心理士」が「巡回相談員」として支援員の相談に対応していた。巡回相談員36名に支援員と同様の質問紙調査を行った。その結果、「対応に困難さを感じる子ども」は、「支援員」と同様に「他児への加害行動」を示す子どもであった。
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