研究課題/領域番号 |
26380985
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研究機関 | 大阪教育大学 |
研究代表者 |
大河内 浩人 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (80223775)
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研究分担者 |
渡邉 創太 大阪教育大学, 教育学部, 講師 (80738386)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 実験系心理学 / 行動分析 / 行動履歴効果 / 刺激般化 / ハト |
研究実績の概要 |
タッチセンサーつきモニタースクリーンに呈示される黒背景上の白い正方形の一辺の長さの関数としての刺激般化勾配を得ることを目的に実験を行った。訓練時(履歴形成フェイズ)では、一辺80ピクセル(約24mm)の正方形が呈示されている時のハトのつつき反応を定比率 (FR) スケジュールでエサで強化し、50ピクセル(約15mm)のときは低反応率分化強化 (DRL) スケジュールで強化した(多元FRDRLスケジュール)。1成分3強化、成分間間隔10秒で、FR, DRL成分ともに36強化生じた時点でセッションを終えた。テスト時(履歴テストフェイズ)では、定間隔 (FI) スケジュール(FIテスト)もしくは消去(消去テスト)下で、一辺10ピクセルから10ピクセル刻みで120ピクセルまでの12正方形刺激を継時的に呈示した。21-63秒の成分を12成分で1ブロックとし、2ブロックでセッションを終えた。1つのブロック内で、12刺激はそれぞれ1成分ずつ呈示された。1羽のハト (1401) は、1回目の履歴形成フェイズの後に消去テスト、2回目の履歴形成フェイズの後にFIテストを行った。もう1羽 (1402) は、呈示されるテストの順が1401の逆であった。履歴形成フェイズは、45-64セッション、FIテストは、36セッション行った。消去テストは、6セッション続けて無反応になった23ならびに28セッション目で終了した。いずれのハト、いずれのテストスケジュールでも、テストの初期には、明確な般化勾配が得られた。4例中3例で最も反応率の高かったのは、FR刺激よりさらに大きい正方形が呈示されていた時であり、通常の弁別訓練後の般化テストで生じる頂点移動と同様の現象が確認された。こうした般化勾配は、テストの終盤では不明確になった。特に、消去テストでは、般化勾配の崩壊が急であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
12か月強にわたり実験を行い、予想通りの結果を得た。
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今後の研究の推進方策 |
新たなハト4羽により、組織的追試を行う。先の実験と異なる点は、(a)履歴スケジュール、(b)弁別刺激と履歴スケジュールの関係の統制、である。履歴スケジュールは、FR, DRLのかわりに、それぞれ、直列 (tandem) 変間隔 (VI) FR, tandem VI DRL スケジュールを用いる。4羽中2羽には、一辺80ピクセルの正方形が呈示されている時にtandem VI DRL, 50ピクセルのときはtandem VI FR スケジュールを呈示する。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度は、少なめの個体で実験を完遂することができたため、残金を次年度に使用することにした。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度繰越金と次年度分として請求した助成金を合わせた金額を利用して、新たな実験装置を製作し、計画している実験を展開する。
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