1898年勅令第三四四号の学位令下においては、1905年に女性が学位請求をした事案があった。しかし、1890~1920年代前半、女性は学歴上で不利な立場にあり、研究職への職業進出がはばまれており、学位が授与されることがなかった。 一方、1920年勅令第二百号の学位令下においては、1927年保井コノが理学博士号を取得して以降、1947年までに、理学博士・医学博士・農学博士・薬学博士の理系4種別で女性の学位取得者が誕生し、医学・化学系が大半を占めた。女性にとって、博士号の学位は、各自のキャリアにとって有為な職業的資格となっただけでなく、後進の女性科学者の養成にも影響をもたらしていた。
|