ルソーが孤独とその実践に見出した人間形成的意義を、「霊的な訓練exercice spirituel」の中の「孤独の訓練」を分析枠組みとして、さらに、ペトラルカの孤独論を参照枠組みとして検討した。その結果、ルソーは、「孤独の訓練」を含む自己教育を通して自らの思想・哲学を構築したのであり、このような自己教育こそがルソーの教育思想の肝要であるという可能性を明らかにした。さらに、このことは従来の教育学研究ではサブテクストとして扱われてきたルソーの自伝的著作群を教育学のテクストとして再読することで明らかにできる可能性を提示した。
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