本研究は、フランス革命期に採択された公教育組織法が革命戦争による併合地や姉妹共和国にどのように施行されたかを明らかにしようとするものである。これらの問題については、刊行史料が存在しないためフランス本国においても未解明であったが、本研究では未刊行の重要な史料群を発見し、それらの分析から、革命後半期の総裁政府期に成立した公教育組織法が併合地にも施行され、併合地や姉妹共和国の教育状況が本国に詳細に報告されていたことを解明した。さらに、総裁政府期の共和国と革命戦争をめぐる近年の革命史の研究動向とも関わる新たな知見を導き出し、フランスの国際シンポジウムで報告し、日本でも国際研究集会を主催した。
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