本研究は、ドイツにおいて歴史的に先駆であった「ロマンチックラブ」に基づく恋愛結婚形態の一事例としてのヴィルヘルム・フォン・フンボルトと妻カロリーネとの関係を取り上げることを通して、カロリーネとの関係がフンボルトの「教養」理念形成にいかなる影響を与えたかを解明した。 ルーマンなどの社会学研究を手掛かりに「ロマンチックラブ」概念を明らかにするとともに、フンボルト夫妻を事例に、18世紀ドイツにおいて、恋愛と結婚がいかに歴史的に結びついて「恋愛結婚」が形成されたのか、また愛についての理論と実践が、いかにフンボルトの「教養」理念形成に寄与したかを解明した。
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