子どもの学習意欲の低さが問題となっているが、解決する第一歩は子ども理解を深めることである。その試みの一つに「恵那の生活綴方教育」がある。それは作品分析を通じて、子ども理解を深めるものであった。また子どもにとっては、表現を通じて自らの生活を見つめ、生き方を考える役割を果たした。石田和男は、生活綴方教育の意義を探究し、発展させた。本研究は、彼の教育思想に着目することを通じて、子どもの学習意欲と生きる力の関係を検討した。 さらに、生活綴方教育の発想と共通性を持つ世界の教育実践を検討するためにフレネ教育実験中等学校の調査を行った。この調査で、子どもへの表現の自由の保障が、学習を促進することを確認した。
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