本基盤研究では、明治期における小学校理科の誕生と「小学校及小学教場教則綱領」をテーマに研究をすすめてきた。新教科理科の誕生は2つの要素に分解される。理科誕生の要素のひとつは、「統合」であり、もうひとつは、教育内容の変化である。本研究は、明治期の実業教育思想と自然科学教育論を検討し、科学教育の内容変化の一因を探る研究である。本研究では、当時の実業学校であった農学校の状況や「小学校及小学教場教則綱領」の内容を反映した埼玉県の小学校教則などを具体的な研究対象として、理科の誕生の経緯解明に研究を前進させることができた。
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