研究課題/領域番号 |
26381042
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研究機関 | 学習院大学 |
研究代表者 |
山崎 準二 学習院大学, 文学部, 教授 (50144051)
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研究分担者 |
菅野 文彦 静岡大学, 教育学部, 教授 (30216288)
長谷川 哲也 静岡大学, 教育学部, 准教授 (90631854)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 教師 / ライフコース / 発達 / 力量形成 / 継続的縦断的調査 |
研究実績の概要 |
平成28年度は、「教師の力量形成に関する質問紙継続調査(第7回目調査、H26年8月実施)」の再分析作業を行うとともに、インタビュー継続調査の残り分の補充調査を行い、あわせて研究の総まとめを行う計画であった。 前者については、特に自由記述箇所の整理・分析を行った。例えば「教職に就く以前に読んだ本・雑誌等の中で、職業として教職を選択したことに影響を及ぼしたと思われるものは何か」という質問に対して、20歳代の若い卒業コーホート(H20-22年3月及びH24-26年3月卒業者、第12及び13GC)は、年齢が上のGCと異なってコーホート内成員の多数から指摘されるものが認められず、世代共通の理想的教師像形成がなされていないことが特徴であった。また、今回の調査では、新たに教師の「実践知(実践的な知・信念)」についての探索的な質問(「教職生活に転機をもたらすきっかけとなった言葉や思い」を自由記述で回答)に対しては、3つの内容的カテゴリー(1:実践の在り方としての目指すべき状態が示唆されているもの、2:実践者の姿勢としての目指すべき状態が示唆されているもの、3:目指すべき状態に向けて変化を生み出すための具体的な助言」)に分類することができ、今後の継続的な本格調査の足掛かりを得ることができた。 後者については、第7GC(1983年3月卒)に属する小学校男性教師に1995年・2004年に続いて3回目の継続的縦断的インタビュー調査を実施することができた。同教師は、すでに50歳代に入り、小学校長職に在った。今回の調査によって、一人の教師のライフコースを、追跡法によっても明らかにすることができ、第1・2回目調査の内容とともにあわせて再整理・分析することができ、「選択的変容型」発達のひとつの典型例を確認・提示することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今回の調査を含めて過去7回にわたる質問紙調査のデータを再整理・分析する作業課題と、過去にインタビューを実施した対象者に対する継続的縦断的インタビュー調査を実施する作業課題とを並行して行ってきた。しかし、前者は一定程度進めることができたものの、後者はインタビュー予定者との連絡・調整がつかない場合が多く、未実施のままとなってしまっている。全体的な最終報告書作成のためには、両者の作業完了が必要であるため、研究期間を1年延長して再度試みることにした。
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今後の研究の推進方策 |
研究期間を1年延長し、未実施のインタビュー対象者との実施に向けての連絡・調整を再度試みることにしている。その結果を踏まえて、質問紙調査の再整理・分析の作業結果とあわせ、最終報告書の作成を行っていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
調査対象者の一部との連絡・調整ができずにインタビュー継続的縦断的調査が積み残しとなり、最終報告書の作成までに至らなかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
積み残しとなっているインタビュー継続的縦断的調査対象者への調査実施を行い、研究期間内に実施した質問紙調査結果とインタビュー調査結果を合わせて、最終報告書を作成する。調査対象者への謝金等のインタビュー調査実施に係る費用、および最終報告書印刷費用として使用する計画である。
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