研究課題/領域番号 |
26381045
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
小野 雅章 日本大学, 文理学部, 教授 (70224277)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 戦後教育 / 学校儀式 / 国旗・国歌 / 象徴天皇制 / 講和独立 |
研究実績の概要 |
本年度は、前々年、前年の成果、すなわち、本研究に関わる一次史料の広範な収集をもとに、①史料整理、および史料目録の作成、②研究成果の一部の口頭発表、③研究論文の執筆を中心に研究活動を推進した。さらに、これまでに収集しきれていなかった一次史料の収集も補足的に行った。これらの状況を、より具体的に示せば、以下の通りである。 先ず、史料整理であるが、古書店を通じて購入した戦後学校儀式関係史料、国立国会図書館、国立公文書館、国立教育政策研究所附属教育図書館、長野県歴史館などで前年度までの収集した史料の体系的整理を行った。具体的には、文書史料については、件名目録化の準備であり、図書については目録化、雑誌記事については、記事目録の作成に取りかかった。つぎに、研究成果の一部の口頭発表であるが、教育史学会第60回大会(於横浜国立大学、2016年10月1日から2日)のコロキウム、および研究代表者所属の機関を中心とする、日本大学教育学会2016年度春季学術発表会で、それぞれ研究成果の一部を口頭発表し、その成果を広く問ってみた。そして、研究論文の公表であるが、教育史学会紀要『日本の教育史学 教育史学会紀要』第56集(2016年10月)、日本教育史学会『日本教育史学会紀要』第七集(2017年3月)という、二つの全国学会誌にその成果を公表することができた。また、研究代表者所属機関の研究紀要である日本大学教育学会『教育学雑誌』第53号にも、研究成果の一部を公表した。さらに、歴史学研究会編集『歴史を社会に活かす――楽しむ・学ぶ・伝える・観る』(2017年5月刊行予定)にも、本研究の成果を寄稿した。 今後は、本年度の成果をもとにしながら、戦前学校儀式と戦後学校儀式における国旗・国歌の取扱いを含め、通史的展望を持った研究に深化させていきたいと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の研究実施計画では、「基本史料の調査・収集は、基本的に平成28年度で終える予定にして、平成29年度は、補足的な調査に限定しようと考えている」と記したが、この点については、おおむね達成されたものと考えている。また、同じく研究実施計画で「研究代表者、研究協力者は、個人のレベルでも、研究成果を積極的に学会誌へ投稿することにしたい」とした点については、二つの教育史関係のふたつの全国レベルの学会(教育史学会、日本教育史学会)の紀要に論文を掲載することができた。また、歴史学研究会という歴史学の全国学会の企画する編著にも論考を寄稿することができた。当初の研究計画以上の成果を得たものと判断している。 当初の研究実施計画からみて、若干の遅れを生じているのが、「仮目録」作成の進捗である。当初は、平成28年度の段階で、仮製本して、「関係者に送付する予定」でいたが、未だに製本する段階には至っていない。しかし、目録に関してはその多くはエクセルにほぼ入力を終えており、参照可能な状況になっている。この点については、平成29年度においても十分に達成できる範囲のものであると判断した。そのため、平成28年度の進捗状況を「おおむね順調に進展している」と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
平成29年度は、本研究計画の最終年度になる。そのため、研究実施計画に示した諸事項、すなわち、「戦後教育における学校儀式と国旗・国歌に関する史料目録」の作成、研究成果の一部の公表(学会における口頭発表、全国学会誌への投稿)を積極的に行いたい。さらに、本研究計画のまとめとして、研究論文編と資料編とからなる「研究成果報告書」の作成を行う予定でいる。この報告書を各方面に配布し、意見や批判などを仰ぎ、その内容をブラッシュアップし、改訂版を作成し、それを学術出版助成金(科学研究費補助金の出版助成、あるいは所属機関の学術出版助成)に応募し、本研究を著書として出版し、研究成果を世に問いたいと考えている。 そのため、平成29年度は、史料目録の作成、「研究成果報告書」作成のための校正作業などに人件費が必要であると判断し、今後は、この点を中心に研究を進めたいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成28年度におけては、およそ9,400円の次年度使用額が発生した。主たる原因は、人件費の支出ができなかったことによるものと考えられる。その他については、概ね妥当に使用したと考えている。
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次年度使用額の使用計画 |
上述した通り、次年度は、本研究計画の最終年度であり、研究成果報告書、あるいは資料目録の製本・印刷などといったことを予定している。これらの印刷の過程において、人件費が必要不可欠と考えるので、次年度使用額は、人件費に当てたいと考えている。
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