本研究は、戦後日本の学校儀式において、国旗と国歌をどのように扱ってきたのかを実証的に考察したものである。通説では、戦後教育改革の成果により、祝日の学校儀式は、少なくとも1947年以降には消滅したといわれてきた。本研究により、このような通説は基本的には誤りであり、講和独立後まもなくして、国旗掲揚と国歌斉唱とを主たる内容とする祝日学校儀式が復活し、増加傾向にあったことを明らかにした。しかし、こうした動向も建国記念の日制定により鈍化し、1989年以降、これらは卒業式・入学式により実施されるようになったことを指摘した。
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