研究課題/領域番号 |
26381047
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研究機関 | 朝日大学 |
研究代表者 |
松井 かおり 朝日大学, 経営学部, 准教授 (70421237)
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研究分担者 |
今井 裕之 関西大学, 外国語学部, 教授 (80247759)
吉田 達弘 兵庫教育大学, 学校教育研究科(研究院), 教授 (10240293)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | ドラマ活動 / 多言語多文化社会 / 子ども / 教育 / 地域 |
研究実績の概要 |
本研究は、海外にルーツがあり多様な文化的背景を持つ子ども達が日本人地域住民と協同して行うドラマ・プロジェクトを調査し、これらの子ども達の発達を支えるドラマ活動の意義と可能性について考察することを目的とする。 平成27年度の成果は、ロンドンの演劇芸術監督とファシリテーターを招聘して行った演劇ワークショップとその発表会、さらに演劇とコミュニティーの関係をUKで専門に調査している研究者を招聘しての国際シンポジウム開催である。難民や移民、マイノリティーの包摂が社会の一大課題となっているヨーロッパにおいては、ドラマなど演劇的手法を用いたワークショップが盛んであり、その手法と“Give and Gain"の理念を多文化・多言語状況での本ワークショップに応用した。招聘者を中心に、日本人スタッフや芸術家チームが、岐阜県可児市の海外にルーツを持つ10代後半の子ども達と日本人学生、留学生たちを支援し、言語や文化を超えて協同する過程をビデオに記録した。また子ども達の変容やスタッフチームの変容についても観察を行った。シンポジウムでは、いかに演劇活動がUKの各々のコミュニティーを変革してきたかという事例が紹介された。ドラマ的手法によって変革が促されたときの条件(事前のリサーチと計画、コミュニティーの成員と実践者の関係性、実践者と研究者の協働方法)についてや、実際に行われたプロジェクト活動の即興性と創造性について議論された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在まで、初年度に行った日本人地域住民と外国人の子どもやその家族が協同して行うドラマ・プロジェクトの観察、2年目に行った多文化・多言語ワークショップの企画・実施と発表会、国際シンポジウムまでおおむね順調に進んでいる。当初、2年目も初年度と同様に地域で行われる多文化プロジェクトを観察する予定であったが、独自企画のワークショップ準備期間と重なってしまっため、定期参与観察が叶わなかったことが予定外であった。代わりにプロジェクトの制作関係者や参加者たちから、参加者や稽古状況について聞き取りを行った。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は本研究課題の最終年度であるため、1年目と2年目に行った調査と実践のまとめを行う。そのために、実践報告書の作成、HPでの活動開示および海外での学会発表と論文執筆を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
28年度は海外での学会発表などを行わず、またHP作成や報告書の作成を翌年度に持ち越したことで支出が少なくなった。海外からの研究者と芸術家の招聘にあたって、関係機関との連携や民間助成を得ることによって、必要最低限の支出に抑えた。
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次年度使用額の使用計画 |
28年度は、海外での学会発表を予定しているため、研究協力者と研究代表者の計3名分の旅費を使用する見込みである。また活動公開のためのHP作成費と前年度の報告書の印刷代を使用する。
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