研究課題/領域番号 |
26381052
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研究機関 | 追手門学院大学 |
研究代表者 |
井ノ口 淳三 追手門学院大学, 国際教養学部, 教授 (00106014)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | コメニウス / Pansophia / 世界図絵 / 教養 |
研究実績の概要 |
2014年度の研究実績の概要は、以下の通りである。 ①学会誌に論文を発表した。教育史学会紀要『日本の教育史学』第57集に収録されている「大学における教養教育とコメニウスにおけるPansophiaの理念」で、科研費の研究課題と密接に関連する内容である。すなわち、日本の大学における教養教育のあり方について考察するために、教養の教育についての歴史的系譜をたどり、とりわけコメニウスのPansophiaの理念に焦点をあてて論じた。 ②学会の編集する刊行物に論文を執筆した。それは日本教育方法学会編『教育方法学ハンドブック』の「第Ⅲ部 第1章 第2節 外国における教育方法の思想史」である。その中で戦後日本の教育方法学研究における外国の教育方法思想史のレビューを行い、コメニウス、ペスタロッチ、ヘルバルト、デューイらの研究が重要な位置を占めてきたことを明らかにした。 ③国際学会で発表した。すなわち、2014年6月下旬にロンドン大学で開催された第36回国際教育史学会の大会での「コメニウスの教科書における戦争と平和」と題する発表である。国際平和の構想を提起し、その実現のために活動したコメニウスの教科書の中に意外にも「戦争」に関する詳しい説明が見られることについて考察したものである。 ④この他に所属大学の年報においても、コメニウスのPansophiaの理念に連なる博物館の展示についての考察や、日本の教育における平和教育と関連する道徳教育のあり方を問う論文を発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
4年間の研究の初年度にあたる2014年度の研究実施計画は、次の通りである。 ①コメニウス関係の文献を入手する。 ②ロンドン大学東欧研究所を中心に文献調査を実施する。 ③国際教育史学会第36回大会で研究発表を行う。 ④教養教育に関する答申や提言等の文書を検討する。 以上の計画のすべてを達成した。
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今後の研究の推進方策 |
2015年度は、次の研究計画をたてている。 ①6月上旬にロシアのサンクトペテルブルグで開催されるコメニウス研究国際学会に参加し、最新のコメニウス関係の研究情報を入手する。あわせてロシアにおけるコメニウスにゆかりの場所を訪ね、資料を収集する。 ②9月上旬にハンガリーのブダペストで開催される世界教育学会の大会に参加し、最新の研究情報を入手する。あわせてハンガリーにおけるコメニウスゆかりの場所を訪ね、資料を収集する。 以上のように国際的な研究動向を見据えて研究をすすめていく。
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