研究課題/領域番号 |
26381052
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研究機関 | 追手門学院大学 |
研究代表者 |
井ノ口 淳三 追手門学院大学, 公私立大学の部局等, 教授 (00106014)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | コメニウス / パンパイデイア |
研究実績の概要 |
今年度も、海外への発信を引き続き重視した。 2015年6月上旬にサンクトペテルブルグで行われたコメニウス研究国際学会に参加し、ロシア、ポーランド、ドイツ、チェコなどの研究者と研究討議を行った。 9月上旬にはブダペストで開催された世界教育学会の大会に参加した。サンクトペテルブルグの参加者は約50人、ブダペストには約3000人が集まった。どちらも初めて参加したが、全体の参加人数にかかわりなく、分科会の参加者はそれぞれの主題の専門的研究者であり、大変有意義であった。 また、国内の学会では8月にお茶の水女子大学で開催された日本教育学会のラウンドテーブル「コメニウス教育学の再評価―『パンパイデイア』から学ぶ」の企画と司会をつとめた。さらに10月に岩手大学で開催された日本教育方法学会の課題研究「戦後戦後70年と平和教育―戦後教育実践と教育方法学(1)」のコーディネーターとして、提案者の人選、提案内容の調整等を行い、大会当日には司会をつとめた。11月には京都産業大学むすびわざ館で行われた総合人間学会第7回関西談話会において「生涯にわたる教育の構想―コメニウス『パンパイデイア』の翻訳出版によせて」というテーマで発表した。そしてこの発表原稿に加筆をして、「コメニウスの『パンパイデイア』における老年期の課題について」を『追手門学院大学教職課程年報』第24号に投稿し、掲載された。 大学の紀要類に原稿を執筆した他、関西チェコ/スロバキア協会発行の『ブルタバ』107号に、「ヨーロッパにおけるコメニウスの足跡」と題する一文を寄稿した。以上のようにコメニウスの晩年の大作である『パンパイデイア』を重点にして研究をすすめた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
『パンパイデイア』についての研究は、順調に進んでいるが、「パンソフィア」については、まだまだこれからである。
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今後の研究の推進方策 |
今年度もヨーロッパ各地で開催される国際学会に参加するとともに、それぞれの開催国の図書館で文献調査を行う。 6月上旬にポーランドのSiedlceでコメニウス研究国際学会が開催される。この学会は、ロシアのコメニウス研究センターとポーランドのSiedlce大学などが中心となって行われるもので、「コメニウスと学際的研究上の問題―17世紀と21世紀との対話」を統一テーマとするものである。 また10月上旬には、チェコのウヘルスキーブロトにおいて、コメニウス研究国際コロキウムが開催される。今回の統一テーマは、「哲学上の概念、社会的相互作用、および地図上の表記の間の境界」である。これら2つの学会では、コメニウスの思想の学際的な性格を反映して、いろいろな角度からの研究発表が行われる。これらに参加するには休講を伴うが、それが認められない場合には、研究計画を大幅に変更せざるを得ない。
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