チェコ、ドイツ、ポーランドなどヨーロッパ各地の図書館で文献調査を行い、『世界図絵』の異版本や『開かれた言語の扉の苗床』1773年版、『前庭』1658年版、『広間』1661年版等を閲覧した。以上の現地調査及び研究者との交流、文献の分析を通して得られた知見を『コメニウス「世界図絵」の異版本』としてまとめ、2016年12月に追手門学院大学出版会から刊行した。『世界図絵』については、従来未解明の課題が幾つも残されてきたが、本書ではその中で特に次の課題について考察した。たとえば、①多言語版の意図と活用の方法、②チェコ語版の出版が遅れた理由、③短縮版が特にウィーンで多く出版された理由などである。
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