本研究は、19世紀末から20世紀前半に世界中で盛り上がった新教育運動に焦点をあてて、子どもの遊び場がどのように確保されたかを確かめた。この時代は、急激な都市化が進み、子どもは遊び場をなくしつつあったが、同時に、学校教育や社会教育のなかで、子どもに遊び場を提供することの必要性がひろく民衆にも意識されるようになっていた。その具体的な状況を、ボストン、シカゴ、ニューヨーク、ロンドン、ハンブルクをとりあげてたしかめた。 その結果、子どもの遊び環境として、大都市に公園を設置しようとする動きがあったこと、公園と学校の連携をつくろうとする都市計画があったことなどが、明らかになった。
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