研究課題/領域番号 |
26381054
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研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
オムリ 慶子 関西学院大学, 教育学部, 教授 (20193823)
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研究分担者 |
大森 隆子 椙山女学園大学, 教育学部, 教授 (40213871)
甲斐 仁子 東洋英和女学院大学, 人間科学部, 教授 (50141833)
山田 りよ子 藤女子大学, 人間生活学部, 准教授 (00299736)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 保育史 / 幼稚園史 / 保育者養成史 / ドイツ・イタリア・アメリカ |
研究実績の概要 |
本研究は、1840年ドイツでフレーベルによって設立された最初の幼稚園の保育内容と、初期の保育者養成カリキュラムの内容を、文献研究とともに博物館等に残されている保育者養成カリキュラム表や手技等の製作物を調査し、それらが日本にもたらされた道筋を調査研究することによって、現在の日本の保育者養成カリキュラムや実践に継承されている事柄を明らかにしたうえで、新しい保育史を構築しようとするものである。 本年度は、昨年度のドイツに続き、日本最初の保姆(幼稚園教諭)である豊田芙雄が視察したイタリアの当時の幼稚園の様子を、古文書館、教育博物館等に残されている資料を調査した。当初、イタリア訪問を8月に予定していたが、先方から8月は休暇のため3月に変更してほしい旨の連絡があった。したがって、3月の調査旅行から月日が経っていないため、史料の読み込みや分析は不十分であるが、現時点での収穫と明らかになったことは以下の通りである。 1.従来のイタリア幼児教育史においては、幼稚園導入とともに幼稚園運動の中心をヴェネツィアとするのが定説であったが、研究代表者の数年来の研究でヴェローナにも幼稚園運動の中心があることがわかってきた。今回の調査では、ヴェローナ市立古文書館および国立古文書館の協力を得て、ヴェローナの幼稚園運動の中心となった組織「イタリア教授同盟ヴェローナ支部」(Lega d'Insegnamento di Verona)の機関誌のうち1890年代までのほぼすべてをデジタル画像化することができ、今後のヴェローナ幼稚園運動の分析が進むことが期待できること。2.ブレーシャのパスクアーリ=アガッツィ協会博物館所蔵の1880年代の幼稚園教師養成で行われていた折紙等の「手技」の現物を見ることができ、昨年度のドイツや日本の研究で得ることのできた折紙とのつながりの解明に有益であること。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度のイタリア調査は、最初8月に予定していたが、先方の事情から3月にずれ込んだ。年度の最終月の調査となったため、得られた資料の読み込みや分析は年度末に間に合わない状態となった。 しかしながら、得られた資料は思った以上であり、今後分析が進む中で明らかになるであろう新しい発見に期待することができると考える。 また国内の調査では、頌栄短期大学の史料調査願いを出したが、資料整理がいまだ手付かずのままであるという理由で今年も断られた。以上のことから「やや遅れている」と評価した。
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今後の研究の推進方策 |
次年度はアメリカで調査を行う。アメリカ最初の幼稚園が開設されたウォータータウンのオクタゴンミュージーアムでの初期の幼稚園調査、そしてボストンでの初期幼稚園教員養成に関する資料調査がメインになる。 また次年度が最終年度となるため、各研究者が各自の課題に沿ってまとめ、日本の幼稚園教育と保育者養成に与えた影響について何らかの仮説を立てたいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究分担者(大森隆子)が、体調不良のため2015年12月に入院。3月のイタリア調査旅行は、退院後の療養期間にあったため、旅費相当分(250000円)が残った。
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次年度使用額の使用計画 |
今年度の未使用額250000円は、他の研究者も含め再分配して、次年度のアメリカ調査旅行に使用する。
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