研究課題/領域番号 |
26381069
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研究機関 | 東京学芸大学 |
研究代表者 |
岩立 京子 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (40185426)
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研究分担者 |
樟本 千里 岡山県立大学, 保健福祉学部, 講師 (10413519)
西坂 小百合 共立女子大学, 家政学部, 准教授 (50442116)
岩立 志津夫 日本女子大学, 人間社会学部, 教授 (80137885)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 幼児教育 / 成果 / 学びや発達 / 評価 / 指標 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、幼児教育の成果としての幼児の学びや発達を評価する指標を作成し、その妥当性、信頼性を検討しうることにある。その際、幼稚園教育要領および保育所保育指針、幼保連携型認定こども園教育・保育要領のねらいをもとにしながらも、それらのみからルーブリックを設定するのではなく、より構造化されたカリフォルニア州の発達の評価指標と比較検討した上で、日本の幼稚園等施設における教育・保育の成果を測定するのにふさわしい指標を開発することを目指した。平成26年度の成果は以下の通りである。 1.保育士が幼児の学びや発達を明示的、暗黙的にどのように捉えているかについて、保育記録をテキストマイニングソフトを用いて分析し、明らかにした。 2.カリフォルニア州の6つの幼児教育・保育施設、2つの幼児教育関連団体を訪問し、保育者・教師にインタビューを行い、DRDPの意義、実践の在り方、DRDPを用いた評価方法の実際、課題などを明らかにした。 3.カリフォルニア州の”Curriculum Framework”などのガイドラインや、保育者によって作成されたドキュメンテーション、記録などの資料を収集し、それらをもとに、DRDPの特徴を分析するとともに、幼稚園教育要領のねらいを比較考察した。 4.日本の保育者のDRDPに対する感情や認識を明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成26年度の調査研究により、予定された成果を得るとともに、新たな課題が浮かびあがって来た。それらは、以下の通りである。 (1)日本では外国の評価指標に対して意義を認めながらも、違和感を覚えがちである。 (2)カリフォルニアの評価指標にも現場の実践者から、実践上の難しさなどの課題があげられている。 従って、両者を統合し、日本の幼児教育現場で実践者に受け入れられる指標を作成するためには、平成26年度の研究で明らかになった課題およびその要因を分析するとともに克服する形で指標の開発が行わなければならない。
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度の前半は、保育者に対するインタビュー調査を実施し、日本の保育者の成果やその評価に対する認識や感情を明らかにした上で、幼児教育の成果の評価の暗黙的、明示的指標を抽出すること、それを反映させながら、カリフォルニア州の評価指標と統合し、新たな評価指標を作成する。 平成27年度の後半は、その評価指標を用いて、保育者に評価してもらい、評価および評価指標に対する保育者の感情、認識、保育環境の変化、幼児の学びや発達の状態を測定することにより、指標の試行版の信頼性、妥当性を検証する。
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次年度使用額が生じた理由 |
消耗品が予想より安く購入できたため。
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次年度使用額の使用計画 |
消耗品に充当する。
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