研究課題/領域番号 |
26381073
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研究機関 | 京都教育大学 |
研究代表者 |
森 孝宏 京都教育大学, 教育学部, 教授 (70387538)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | メンタライゼーション / 大学生のメンタルヘルス / 学校精神保健 / 思春期青年期心身医学 / 国際情報交換 / フランス / イギリス |
研究実績の概要 |
平成26年4月の大学新入生健康診断において、予備調査として全員にCMI健康調査票及び従来の質問紙による健康調査を行った。 英語や仏語だけでなく伊語や独語に広げてメンタライゼーションに関する文献を入手調査しメンタライゼーションに関する欧米各国の現状理解を深めた。ギリシャのアッチカ地方教育委員会等によるメンタラーゼーション準拠いじめ予防活動についても引き続き情報収集を続けている。 海外調査研究として、平成26年6月にフランス・パリ心身医学研究所を訪問し、メンタライゼーションについてSmadja所長からの情報収集及び第30回フランス心身医学学術集会に参加した。この海外調査研究の成果については、7月27日の日本心身医学会近畿地方会(関西医科大学)にて報告した。11月にイギリス・ロンドン・アンナフロイト研究所を訪問し、Fonagy所長からの情報収集及び思春期青年期のためのメンタライゼーション準拠療法講習の修了証明書を得た。この海外調査研究の成果については、12月12日の第36回全国大学メンタルヘルス研究会(龍谷大学)にて報告し、平成27年3月31日発行の平成26年度第36回全国大学メンタルヘルス研究会報告書に発表した。フランス及びイギリスの調査から、スイスやカナダにおけるメンタライゼーションの状況に興味深い点があることが分かってきた。そのため情報収集の範囲を広げる必要性を検討している。 パリとロンドンの調査を元に、大学新入生のメンタライゼーション機能を評価する質問紙を作成した。この新たな質問紙法による大学新入生調査は27年度に実施することにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
大学新入生のメンタライゼーション評価の質問紙を作成するため、メンタライゼーションの研究で世界をリードすると思われたフランス・パリとイギリス・ロンドンの研究所をそれぞれ訪問し、情報交換及び最新の知見を入手できた。パリの状況は、帰国後1カ月程度の日本心身医学会近畿地方会で、ロンドンの状況は帰国後1カ月程度の全国大学メンタルヘルス研究会で、遅延なく限りなく早急に研究成果を公表することができた。 メンタライゼーション評価の質問紙は初版を作成し、平成27年度4月の調査に向けて準備を終了できた。
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今後の研究の推進方策 |
メンタラーゼーション研究については、フランスやイギリスの海外調査から、この2カ国だけでなくデンマーク・コペンハーゲン、スイス・ジュネーブ、カナダ・モントリオールやドイツやイタリアでの研究があることがわかった。思春期青年期特に大学生の精神保健上重要と思われる研究についてさらに情報収集していく。現在のところ、諸外国で、同じテーマである大学生のメンタルヘルスに特化したメンタラーゼーション研究は報告がないので、迅速かつ遅延なく十分に研究を推進していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
ユーロやポンドでの外貨建ての日本円換算、洋書の物品費の円建て価格の見積もり等において、予算超過にならないように慎重に支出した結果、次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
今後の使用計画については、予算超過にならないよう、かつ繰り越しが生じないようさらに慎重に使用していく。
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