研究成果の概要として次の3点を挙げる。第一に生徒の学校づくりへの参加の意義および機能の日独比較は「権利としての生徒参加」、「教育としての生徒参加」という観点から捉えることができる、第二にドイツでは1970年代以来の「権利としての生徒参加」を基盤とし、2000年代以降、民主主義教育の普及によって学校段階ごとに系化された「教育としての生徒参加」が拡大している、第三に日本では「権利としての生徒参加」は想定されておらず、「教育としての生徒参加」の体系化も見られないが、18歳選挙権時代を迎え、高等学校を中心にシティズンシップ教育や主権者教育において「教育としての生徒参加」が進展し始めている、である。
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