研究課題/領域番号 |
26381085
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研究機関 | 福岡教育大学 |
研究代表者 |
河内 祥子 福岡教育大学, 教育学部, 准教授 (70452703)
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研究分担者 |
植村 善太郎 福岡教育大学, 教育学部, 准教授 (20340367)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 教育法規 / 危機管理 / 学校経営 / 学校事故 / 教育裁判 |
研究実績の概要 |
学校は、未成熟な子どもが集うため、その特性上、遊具による負傷や水泳中の事故、熱中症など多様なトラブルが発生する可能性を内包している。近年では、安全配慮義務をはじめとする教職員の法的責任が厳しく追及される傾向にあり、これまで以上に教職員の危機管理力の向上が求められている。 一方、いわゆる大量退職時代が到来する中で、各学校におけるOJT(On-the-Job Training)の組織化が十分に行えていない状況にある。学校における危機管理に関するそれも例外ではない。この点、学校を取り巻く多様な危機への教職員の対処力を組織的に育成する仕組み作りは、喫緊の課題である。 危機管理は、「事前の危機管理(リスク・マネージメント)」と「事後の危機管理(クライシス・マネージメント)」の2つの側面から捉えることが可能である(文部科学省『学校の安全管理に関する取組事例集』)。だが、学校現場における危機管理をみると、クライシス・マネージメントがその中心を占めている。そのため、事件や事故の発生による被害を最小限にするためにも、クライシス・マネージメントの視点を持った教職員研修の実施が有効となる。 研究1年目にあたる今年度は、他分野の研修事例を収集・分析し、若手教職員からベテラン教職員まで積極的に研修に取り組めるよう、ロールプレイングやグループワーク等を取り入れた危機管理研修プログラムの在り方を検討した。また、学校事故に関する裁判例や小学校・中学校における事故や児童・生徒が負傷した事案等を収集し、それを基に、危機管理研修において使用する教材の作成を試みた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在、他分野における研修事例及び学校事故に関する裁判例を収集しているところである。また、小学校や中学校におけるヒヤリハット事案や事故事案もヒアリング調査等により、順調に収集することができている。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度に引き続き、他分野における職員研修に関する資料及び学校事故に関する裁判例を収集し分析する。また、収集した小学校・中学校におけるヒヤリハット事案や事故を基に、教員の危機管理力の向上に資する研修教材を作成する。 なお、小学校や中学校等において、試行的に作成した教材を用い教職員研修を実施する。受講者には、研修内容等についてのアンケート調査を行い、その後の研修教材の作成に反映させていく予定である。
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