これまでに行った研究、視察の成果をもとに、インシデントプロセス法を用いたインクルーシブ保育に関わる保育者を対象としたエンパワメントプログラムを立案、実施した。このプログラムによる事例検討会においては、事例提供者が抱える悩みの元となる問題を丁寧に捉え直すことによって、無力感を抱えていた保育者が「自分にもできることがある」という前向きな気持ちを表出することにつながり「エンパワメント効果」が期待できることがわかった。質問紙調査の結果でも、前向きに保育に取り組む気持ちの上昇と、対応への悩みや不安の下降が有意に認められた。プログラム参加者が自発的に同様の研修会を企画実践するという成果にもつながった。
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