本研究では、発達障害や貧困等々の困難を複合的に抱える子どもの「他者と共同的に生きているという実感のもてなさ」に焦点をあて、困難の内実と必要としている支援を明らかにしようとした。その結果、①困難が複雑に絡まることにより多面的な支援が必要だが日本の学校は十分にその機能をもちえないこと、②困難が複合的なゆえに周囲に理解されにくく「見えない生きづらさ」として学齢期以降も困難が続くことが明らかになった。また支援においては、③共感的で継続的なかかわりが基本となること、④支援側の活動に参画してもらうことが共同的な意識形成に有用であることが明らかになった。
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