本研究は、保育者の精神的健康を維持するために有効な心理的援助プログラムを開発することを目的として行われた。まず保育者を対象とした質問紙調査より、「積極的解決」「放置・回避」「仕事外の充実」「慎重・冷静」4因子構造の保育者ストレスコーピング尺度を作成した。そのうち、GHQ28で測定した保育者の精神的不調を有意に低減させる因子は「積極的解決」のみという結果を得た。 この「積極的解決コーピング」に焦点を当てた認知行動療法を援用した面談を5名の保育者を対象に月に1回、6ヶ月間実施し、面談時のGHQ12の測定値を確認したところ、全員精神的健康が維持・上昇する結果を得て、面接介入の効果があることが分かった。
|